Tech Lake Sprint もいよいよ後半戦になりました。後半は、各チームが定めた仮説に対する検証を行います。

9月12日(日)の発表では主に問題意識に焦点を当てましたが、その解決のためにどんな「第一歩」を歩めばよいかが、検証を繰り返すうえでは大切です。今回のレポートでは全チームを紹介することはできないのですが、いくつかのチームの動きを紹介します。

チームa

チームaでは「いつも見える場所に、わかりやすい数字で意識を植え付ける、IT化×見える化×意識改革」の仕組みを考案しました(詳細は次回共有します)。しかし、いきなり見える化されたシステムを実装したり専用端末を調達することは当然できませんので、まずは普通の張り紙でプロトタイプをつくり、意識変化に関する検証を行うことになりました。

検証のフィールドも県職員の職場で行ったほうがよいですから、メンバーのうち県内に住む学生2名が実際に県庁を訪れ、テストできそうな場所を探しました。

昼食時に職員が集まるであろう食堂のテーブルに置くのはどうだろうか、

庁内コンビニのイートインスペースには、、、あ、ここは既にいくつかのPOPが設置されているようですね。

他にも庁内のいろんな場所を見回り、どんなテストができそうかを考えながら写真を撮ったりメモをとっていきます。記録を整理した後は、オンラインで他のメンバーと情報共有し、明確にテストユーザーのシチュエーションを決めたり、検証すべきことを確認します。

チームd

一方でチームdでは、個人と団体、また個人のなかでも子どもや大人等といったセグメントに分けた上で、県が普段県民にアプローチしている場面を活用した、「賛同アクションの再定義化」を検討しています。デザインスプリントとしてはこのうち一つのセグメントに対象を絞り、テストと検証を行うことにしました。

このチームではある仮説から「琵琶湖の水が干上がって無くなる」というシミュレーションを考えたのですが、1日で作れる範囲で、役割分担をしながらどんなプロトタイプをつくればよいでしょうか。あくまでプロトタイプですから作り込みに時間をかけすぎても意味はないけど、ある程度作り込まないとユーザー側はどう操作してよいかわかりません。ミーティングを重ね、やるべきことを確認していきます。

ユーザーテスト前日、ひとまずプロトタイプが完成しました。

が、この日も24:30までミーティングを行い、このプロトタイプを使って、何を事前に説明し、どういう順序で何を確認しないといけないのか、そのシナリオを確認しあいます。果たしてテストはうまくいくでしょうか。

テスト・検証

9月21日(火)朝。この日はチームaとチームdがそれぞれ滋賀県庁をリモートで繋ぎ、県職員を対象としたユーザーテスト・検証を行いました。

チームaが選んだのは、職員の給湯室でした。県職員は毎朝当番で湯沸をしにくるのですが、湯沸中に職務室に戻ると電話応対等で戻れなくなることが多く、お湯が沸くまで給湯室にいる職員が多いのですが、その時間を利用しました。

ユーザーテストの日、当番の職員が湯沸しにくる時間帯だけポスターを設置し、その職員の行動を観察します(職員には事前にユーザーテストへの参加協力を得ていますが、どんなテストなのかは明らかにしていません)。

ポスターを見つけ、しばらく見つめています。

張り紙の内容は4択クイズになっていました。シールを取り、答えを貼っているようです。

行動観察終了後、このテストに参加した職員に、張り紙を見たときの動きや感想等についてインタビューを行いました。どんな仮説の検証を行い、どんな結果が得られたのでしょうか。

一方でチームdでは、子どもをもつ職員に、あるシチュエーションを踏まえたユーザーテストを行っています。

オンライン上で動作するプロトタイプを触ってもらうのですが、
「この地図から今のあなたの場所はわかりますか?」
「ここ、ですか?」
と、職員が指をさすも、どこを指したのかはZoomの向こう側ではわかりません。オンライン上で操作を行ってもらうのはなかなか大変そうです。

きちんと相手とシチュエーションを共有できているでしょうか、そして検証したかったことが検証できているでしょうか?

この日の夜は各チームそれぞれ24時過ぎまで、Zoomで検証の振り返りを行っていました。

チームdはシナリオ通りに説明し、行動を記録し、質問をしていったものの、検証の趣旨からはあまり意味がない記録がいくつかあったことがわかりました。仮説検証とは一口にいいますが、やってみると難しいものです。

でも得られるものもありました。その学びを、うまく最終発表に反映させることができそうです。着地点が見えた時点で、チームdはいよいよ最終発表のプレゼンづくりへと移ります。

24日(金)は13:00から最終発表です。当日の様子はまた追ってお知らせします。

(次回は10月上旬までに掲載します)